今、那覇市の教育で一番の問題は、教育委員会が2013年度から全市で実施するとしている「小中一貫教育制度」ではないだろうか。もちろん「久茂地小統廃合」問題もありますが、私たちはこれも、地元地域の皆さんが一致して反対している統廃合は反対です。
さて、なぜ小中一貫教育なのか。小学生を抱えている父母の皆さんご存知でしょうか。教育委員会が説明しているようなバラ色の制度でないことははっきり言えます。
全国でこの動きが進んでいますが、先に導入されているところの事例を紹介しながら、その危険な狙いについて、考えたいと思います。
小中一貫制度は、小1から中3まで同じ建物にする施設一体型と2から3の小学校と一つの中学校が別々のままで実施するタイプがあります。那覇市は当面後者の方です。
①中一ギャップをなくして、不登校などを減らせる?
ギャップを失くすには、早くから中学になれさせると称して、中学の先生が乗り入れ授業を行う。小5・6年生は教科担任制を敷く、5年生から定期試験を行う、などです。
これでは、中一ギャップが小5ギャップになるだけです。
早くから英語や数学に慣れて学力向上にというのは、一部のエリート選抜に繋がり、落ちこぼれをさらに増大させる効果しかありません。
小学校の学級担任制というのは、小学校という発達段階で、一人ひとりの児童の状況を担任が把握して、決め細やかに指導する上で欠かせないものです。小学校5・6年生は受験と関係なく、小学校のリーダーとして社会性を身につけていく時期です。施設一体型の学校では、その貴重な体験を奪い、小学校の卒業式すら廃止しています。
②狙いは学校統廃合に
小中一貫教育をはじめて実施した広島県呉市の導入経緯は、財政が逼迫していたからでした。結果14の学校が統廃合されています。東京の品川区、京都市などで2つの小学校と1つの中学校を統廃合して、新しくマンモス校舎を建て、廃校にした校舎跡地を再開発などに利用しています。
どんなにバラ色に描いても、小中一貫教育は学校統廃合を進める手段として有効に機能しているのです。学校選択制や学校統廃合によって、コスト効率の悪い小規模校を廃止し、競争的な集団のできる、大きな学校を残していくことが簡単に行える仕組みであると思います。
最初に述べた、「久茂地小学校と前島小学校の統廃合」も当局の理由は、小規模校では、競争力が働かない、生きる力を育てるために適正規模が望ましいと、はっきり言っています。
県内のどこの自治体も検討していない制度を、いやおうなく実施しようという那覇市の教育委員会に言いたい。
子どもたちをこの制度の実験台にするな。小規模校の父母の声を聞け。学校は地域のシンボルであり、コミュニティの核である。なくしてはならない。
市民にもっと情報を発信し、説明を行ってから、導入は決めるべきです。
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