

富山市のライトレールに乗って終点、岩瀬浜駅を降りて、しばらく歩くこと10分。
そこに江戸時代末期から栄華を誇った北前船の回船問屋街の跡がある。
取り壊されずに、比較的良好な保全状態の「森家」を見学した。
入場料が100円だという。古びたたたずまいに、入ることをためらったが、せっかくなので入ると、
畳の間に通されて、20分ほど説明の時間をくださいという。自己紹介もなしに、そのおじさんは「講釈師」のように流れるような話術で北前船の歴史を話し始めた。
北前船は富山の薬とお米を積んで北海道に運び、北海道の昆布やにしんなどの海の幸を持ち帰り、それをこんどは、薩摩や中国と密貿易して、ぼろ儲けをしたのだそうだ。
いわずと知れた、にしんは採れすぎて、猫も食べないという時代。二束三文で買って、なににしたかというと、肥料に加工して、それをまた高く売りさばいた。当時は値段の基準がわからず、ほとんど北前船の船頭のいい値だった。そのため行って2倍、帰りの便で2倍の儲け。笑が止まらない商売だったという。
琉球は薩摩の属国扱いの時代に、この薩摩に貿易された昆布が流通したらしい。庶民が食べたのではなく、粉末にして薬だと言われていた。らしい。
このような独占的ぼろ儲けの商売は、鉄道が開通するまで続いたたという。
このおじさん、このような歴史に批判的,自嘲的ではあるが、話はとてもおもしろかった。
森家の御当主ですか?と聞くと「私はただのボランティアです」ときた。
富山に行ったら、一度は聞く価値のある話だとお勧めします。